「アイリウム」は「AKATSUKI -朱憑-」「iメンター」の小出もと貴先生の1巻完結漫画です。
タイトルにもなっている「アイリウム」という薬をめぐる7つの物語が収録されています。
この記事では大好きな漫画「アイリウム」に収録されている7つの物語のあらすじと結末をまとめました。ネタバレを含みますのでご注意ください。
「アイリウム」とは?
タイトルにもなっている「アイリウム」は架空の薬です。1錠飲めば1日分の記憶を飛ばすことができます。
薬が効きはじめると、他人から見れば意識もあり普段通りの生活をしているように見えて、その間の記憶がまったくなくなり、気がつくと時間が過ぎているという世にも不思議な薬です。
さらに「アイリウム」は1錠なら1日分ですが服用しすぎるとまとめて記憶が飛ぶというおそろしい一面もあります
登場人物たちはそれぞれの思いを胸にアイリウムを服用。記憶を飛ばします。
そして、その結果もたらされるものは…
「アイリウム」に収録されている7つの物語のあらすじと結末
File1:映画監督志望
映画監督を目指す峰雄はなかなか結果が出ずに焦っていた。
年齢は27歳。彼女との結婚も視野に入るが、映画監督として芽が出ず先にすすめずにいた。
そんなある日、峰雄は飲むと1日分の記憶がなくなる「アイリウム」を服用。本当に記憶がなくなり、嫌な体験から逃れるようになる。
結局、映画監督として芽が出ず、彼女も失った峰雄はますます「アイリウム」に傾倒してしまう。
気がつくと峰雄は15年分の記憶を失ってしまいました。15年の間に結婚して、子供も産まれ、目指していた映画賞も受賞していたのです。ただし、その間の記憶は全ありません。アイリウムを服用した直後の27歳の意識のままでした。
本当にアイリウムを服用して15年分の記憶を失ってよかったのだろうか…
File2:兵士
マサキ・マクレイガーは戦場で戦う兵士。アイリウムを服用しているため戦闘中の記憶はほとんどない。
気がつくと負傷している。
気がつくと相手兵士を殺して識別票を集めている。
気がつくとさっきまで笑い合っていた仲間が死んでいる。
気にすることはない。記憶がなければ今日も戦場に行ける。
繋いでいくだけ…今日も一日が始まる。
File3:ママ友
カフェ・マグリット。ここでは毎週こども達が同じ幼稚園に通うママ友の会が開かれていた。
お互いに自慢はしないけどマウントを取り合いたい不穏な空間。
ある日「告白会」と称してアイリウムを4分の1錠(この場合、記憶を失うのは2時間程度)飲むことに。
記憶が残らないことから本音で話や愚痴が言えるということだが…
「告白会」が始まるときらびやかなレッテルが剥がれ、おぞましい本音が交錯する。さらに、アイリウムを飲まず、記憶が残るようにしているママ友もいて…
不幸を押し付け合い最終的にママ友達は離散してしまう。
File4:ロックンローラー
バリー・ロットンはライブハウスでギターをかき鳴らすロックンローラー。結婚する娘のレイラからもう会わないと絶縁宣言されていた。
レイラは最後に、母・洋子となぜ離婚をしたのか、真相を聞きに来たていた。
28年前、バリーと洋子はライブハウスで出会った。バリーは洋子に一目惚れ。ただ、出会ったとき、洋子は別のバンドマンに振られたばかりでアイリウムを大量に服用した状態だった。
洋子の記憶は数年後に途切れ、バリーと過ごした時間を失う。それでもバリーは洋子と結婚してレイラが誕生した。
そして、ついに洋子の記憶が戻ってしまう。
洋子はバリーと過ごした記憶を失い、離婚してしまった。
気がつくと、バリーの前からレイラの姿は消えていた。それでも思い出の音楽は記憶から消えずに今もなり続けている。
File5:ホスト
中学生のころから大人と過ごして裏の世界をみてきたイズミ。誘いに乗ってホストを始めるとき、オーナーの後藤から100万円をもらい借用書を書いてしまう。
後藤はかなりヤバいやつで、イズミはアイリウムを盛られて記憶を失い、借金がさらにかさんでしまった。
イズミは後藤の支配から逃れるために同僚ホストのアンジーと共謀して後藤にアイリウム盛って出し抜こうとするが、自分達も前日にアイリウムを盛られていることを知る。
絶体絶命の状況で後藤は記憶が飛び、イズミとアンジーは自分達が記憶が飛ぶ前にスマホに入れた連絡内容を見て窮地を脱出。
イズミは裏の世界から足を洗った。
File6:女医
女医の深津は成功確率がほぼゼロの手術を請け負っていた。
手術前にはアイリウムを服用して手術の記憶をなくせるが、深津は服用せずアイリウムを捨ててしまう。
深津は辛い手術から逃げない。
友人たちは集まる時にアイリウムを服用していた。他人の幸せを知りたくないから。
深津はアイリウムは飲まず、記憶する。
次の手術も成功確率が低いインオペ症例。それでも深津はアイリウムを服用せず手術をする。
絶対に患者を助ける。
強い意志で深津は手術を成功させる。
不器用でもいい。記憶こそ、人生。
File7:研究者
訪問介護士の真田が訪れた豪邸に住むのは「アイリウム」を発明した研究者の仁科の家だった。
真田も実はもと研究員で仁科のもとで「アイリウム」の研究をしていた。3年間、仁科のもとで研究員として勤め上げたのち、准教授になれると約束していたはずだった。
仁科は約束を反故して真田を解雇。いく当てもなく、職を失った真田は婚約者とも別れ人生のどん底を味わっていた。
真実を聞いた真田は怒り、仁科の胸ぐらをつかむ。その時、仁科が衝撃の一言を発する。
「新薬は完成した」
部屋で研究室の鍵を見つけた真田は仁科の研究室で新薬「ヒプノリウム」を見つける。
「ヒプノリウム」は「明晰夢」を見ることができる薬だった。「ヒプノリウム」を服用すると居心地の良さから脳が目覚めるのを拒否して、体が衰弱してしまう。
真田は再び研究を始める。
「アイリウム」の感想
本作は記憶を飛ばすことができる薬「アイリウム」をめぐる7つの物語が収録された短編集です。どこから読んでも面白く、またどの話も構成がよく練られていて満足度が高いです。
特にお気に入りは「ロックンローラー」「女医」「研究者」の3本。
辛いことから逃げたくなることはありますが、自分を形成するのは記憶そのものだと改めて気付かされるとてもいい漫画だと思います。
1巻完結なところも手軽に手に取りやすくて良きでした。
「アイリウム」のあらすじや結末(ネタバレ)|まとめ
1巻完結のおすすめ漫画「アイリウム」のあらすじや結末(ネタバレ)でした。
全部で7話収録されており、どの話も面白くておすすめです。
ぜひ手に取ってみてください!
それでは、良き漫画ライフを!
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